黒ワークウェア術
オールブラックのワークウェアなら、失敗しにくそうに思えます。黒のワークジャケットに黒いパンツ、黒のブーツを合わせれば、それだけで完成です。
ただし、落とし穴があります。すべてが同じ色だと、コーディネートの輪郭がぼやけ、平坦な印象になりやすいのです。
解決策は、必ずしもレイヤーを増やすことではありません。小物を少し加えるだけで、黒一色の重さをほどよく崩し、質感を加えながら、自分らしいスタイルに仕上げられます。
キャップ、クロスボディバッグ、チェーン、あるいは選び方にこだわったベルトでも、ベーシックなワークウェアを、より洗練されたストリートスタイルへと変えられます。
まずはキャップを選ぶ
キャップは、オールブラックのコーディネートに個性を加える最も簡単な方法の一つです。
Carhartt WIPのクラシックな黒の5パネルキャップなら、頭に沿って低めに収まり、すっきりとした、どこかユーティリティ感のあるシルエットになります。
一方、もっとストリートらしい雰囲気を出したいなら、Stüssyのストックキャップのように、控えめな刺繍ロゴが入ったカーブドブリムのキャップを選びましょう。
つばのカーブによってフラットブリムとは異なる顔周りの印象が生まれ、作り込んだ感じではなく、自然に使い込んだような雰囲気になります。
メッシュ素材のバックや、大きなフロントプリントが入ったものは避けたほうが無難です。あっという間に「お父さん感」が強くなってしまいます。
もう一つ細部でこだわりたいのがストラップです。生デニムや厚手のキャンバス素材を合わせるなら、プラスチック製のスナップバックより、メタルバックルの留め具のほうがシャープに見えます。

バッグはポケットより効果的
ワークジャケットのポケットは便利ですが、シルエットを作る役割はあまりありません。クロスボディバッグなら、そこを補えます。
体の中央を分断することで、横方向のラインが生まれ、手を自然に収める場所もできます。
Topo Designsのアイテムのような黒のワックスドキャンバスポーチなら、胸元に近い位置で収まり、動いても大きく揺れにくいのが魅力です。
荷物が多いなら、厚手のコットンで作られたシンプルな黒のトートもおすすめです。Everlaneのデイトートのようなタイプなら、バックパックより背中のラインをすっきり保ちやすく、シャープなシルエットを作れます。
ただし、ウエストにベルトバッグを着けるのは避けましょう。本当に自転車に乗っているときやフェスに行くときなら別ですが、普段のスタイルでは合わせにくいアイテムです。
チェーンは控えめに
オールブラックのコーディネートにジュエリーを加えるのは、少し注意が必要です。多すぎるとクラブへ向かうような雰囲気になり、少なすぎると、ただ黒い服を着ているだけに見えてしまいます。
おすすめは、シルバーのアイテムを一つだけ、首元の高めの位置に着けることです。
2mm程度のカーブチェーンなら、それ以上太いものよりも控えめで、鎖骨のあたりに自然に収まります。動くたびに光を少し拾い、マットな黒の生地にさりげないメタリックのコントラストを加えてくれます。
チェーンが好みでなければ、Seiko 5のような、黒い文字盤とスチールブレスレットを組み合わせたシンプルな腕時計でも同じような効果を狙えます。余計な輝きを加えすぎず、コーディネートにアクセントを与えられます。

最後は細部で仕上げる
ベルトと靴下も、思っている以上に重要な役割を果たします。
厚みのある黒のレザーベルトに、光沢の強すぎないマットな真鍮バックルを合わせれば、トップスとボトムスを自然につなげられます。
靴下は完全なブラックではなく、ダークグレーやオリーブのリブ編みクルーソックスを選んでみましょう。座ったときや脚を組んだときにほんの少し色の違いが見え、コーディネート全体に意図的に選んだような印象を与えます。
もう一つ覚えておきたいのが、パンツの裾です。裾を一度だけ、シンプルにロールアップしてみましょう。ブーツのシャフトが見えるようになり、裾を引きずることも防げます。パンツの裾を引きずるのは、だらしなく見える最も早い原因の一つです。
次にオールブラックのワークウェアを着るときは、黒をさらに足すことではなく、黒を引き立てるディテールを加えることを意識してみましょう。
キャップを一つ、バッグを一つ、チェーンを一つ選び、その他は控えめにまとめます。
そうすれば、椅子に置いてあった服を適当に拾って着たようには見えず、きちんと考えてスタイリングしたような着こなしで出かけられます。
